A.首の症状

頸椎捻挫(むちうち損傷)

むちうち損傷とは急激な後方からの外力により首が鞭がしなるように動いたために軟部組織の損傷が起き、レントゲンでの異常もなく骨折も脱臼もない状態です。

  • 頸椎捻挫型:頭痛、頸部痛(首の部分の痛み)、頸椎運動制限
  • 頸神経根症状型:後頭部、頸部、背部、上腕から手指にわたる痛み、しびれ、こり、脱力、頸椎運動痛等
  • バレーリュー症状型:頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、難聴、悪心、嘔吐、眼振、眼痛等自律神経症状が目立つ
  • 脊髄症状型:四肢不全麻痺、歩行障害、筋肉萎縮、膀胱直腸障害など

頸肩腕症候群

日常的なストレスや疲労及び頸椎の加齢変性によって起こるものが多い症状です。
首や肩への強いコリや痛み、上肢への放散痛や手指のシビレを伴う。
悪性腫瘍(パンコースト腫瘍:肺尖部腫瘍)等でも同様の症状が出る場合もあります。

B.頭痛

  1. 筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)
    非拍動性で持続性の慢性頭痛、締め付けられるような痛み、頭重感を訴える首や肩のこりが伴うことが多いようです。
  2. 片頭痛(片頭痛型血管性頭痛)
    頭蓋外血管の拡張により頭痛が生じる拍動性で反復性の慢性頭痛で多くは片側性で疲労やストレスなどで起きやすく睡眠や休息をとると楽になります。肩こりや悪心嘔吐などが伴うことが多く、頭痛の最中は目が充血することもあります。

C.顔面麻痺

末梢神経顔面麻痺(ベル麻痺)

通常一側性の末梢神経麻痺を呈し額のしわ寄せ閉眼が不可能となり涙がこぼれます。頬を膨らますことが出来なくなり口角が下がり水が漏れ口笛も吹けない。病変が強いと味覚障害や唾液分泌障害、涙分泌障害、聴覚障害等を伴います。

D.顔面痛(三叉神経痛)

顔面の知覚を支配する三叉神経の痛みとその他、眼、耳、鼻、顎関節、頭蓋内の病変によっても起こります。
原因は明らかではありませんが顔面の片側、両側における血管や自律神経の異常によって痛みが出る非定型顔面痛と発作的に三叉神経領域に痛みがでる特発性三叉神経痛があります。

E.めまい感

身体の平衡を保つ為に眼や内耳等からの情報を中枢がうまく統合されて保たれています。しかしその系統のどこかで問題が起こると平衡感覚がくずれて、めまいが出現します。症状はふらふらしたり眼前が暗くなる感覚で肩こりや頭痛、眼精疲労、更年期障害、自律神経失調症等の症状がある方は、めまいが伴うことが多いです。